まず、その問題に向き合おうと思って、臨床へ進みました
——研究ではなく、臨床へ進んだ理由を教えてください。
もともと僕は、研究者になろうと思っていたんです。大学に入ったあと、動物愛護や殺処分の問題を知りました。
自分が一緒に暮らしている犬と同じ命なのに、たまたま飼い主がいないというだけで殺される。それはちょっと、あり得ないよなと思ったんです。
動物が好きだと言っている人間が、獣医師の免許を持っておきながら、その問題を無視して、研究が好きだから研究へ行くというのは、ちょっと虫がいいなと。まず、その問題に向き合おうと思って、臨床へ進みました。
臨床へ行けばすぐ何かできるわけではなくて、技術も知識も必要です。勉強して、勤務医として診療を続けるうちに、臨床そのものも面白くなりました。保護された動物の診療にも、自分の責任で向き合える病院をつくりたいと思ったことが、開業した理由の一つです
——なぜ杉並区で開業したのですか。
東京にいるほうが活動もしやすいし、勉強もしやすいと思っていました。当時は今ほどインターネットで動画を見られなかったので、セミナーが開かれるのは東京や大阪が中心でした。
それに、地元の杉並区が結構好きだったんです。開業するならここがいいなという思いがありましたし、子どもを育てるにもいい街だと感じていました
『とりあえずあそこに行ってみれば何とかなる』と思われたい
——地域の中で、どのような動物病院を目指していますか。
僕は町の獣医師なので、とにかく何かあったらここに来ればいいと思ってほしいんですよね。
病気はもちろんですけど、しつけだったり、街で動物がけがをしていたり、動物のことなら何でもいい。『とりあえずあそこに行ってみれば何とかなる』と思われたい。そういう病院を目指しています
——特に来てほしい飼い主さんや、診たい動物はありますか。
飼い方も、動物との暮らし方も、本当にいろいろな人がいます。昔ながらの考え方を持っている方もいれば、家族や子どもと同じように大切にしている方もいます。
動物も、普通の飼い犬、飼い猫だけではありません。飼い主のいない動物を連れて来る方も、うちは結構多いです。
特に『こういう人』というのはないと思うんですよね。誰でも来てほしい。本当は僕も、この地域の動物を全部見たい。見てあげたいし、見せてもらえるようになりたいんです。何かあったら、僕でよければ来てください
飼っていて良かった、楽しかったなって思ってほしい

——診療で、いちばん大切にしていることは何ですか。
動物を飼うって楽しい。僕が楽しいと思って飼っているんですね。本当に幸せな時間だと思っているし、そういう幸せを支えたい。楽しく一緒に暮らしていてほしいんです。病気も、それを邪魔するものだと思っています。
基本は動物病院なので、病気を治す、あるいは予防することが仕事です。でも、それを通じて、飼っていて良かった、楽しかったなって思ってほしい。
その子が亡くなった時も、すごく寂しいけれど、最後のつらい時間も含めて幸せだった、一緒に暮らせて良かったと思えるように、お手伝いできたらと思っています
勉強していくことが責任だし、最低限だと思っています
——学び続けることを、どう捉えていますか。
勉強はきりがなくて、本当に勉強しても勉強しても、知らないことがいっぱいあるんですよね。
個人病院だと、どうしても得意分野、不得意分野がある。でも、信用して来てくれている患者さんに対して、知らないままではいられない。完璧はもちろん難しいんですけど、勉強はひたすらやっていなくちゃいけないと思っています。それは、もう一生続くことだと。
勉強していくことが責任だし、最低限だと思っています
——「一生勉強する仕事」だと感じたきっかけはありますか。
勤務先では毎週勉強会が開かれて、休みの日に資料を作るのは大変でした(笑)。
でも、セミナーへ行くと、前のほうの席で、すごく年配の先生が一生懸命ノートを取っているんですね。これはこういう世界なんだ、一生勉強が続くんだなって。終わりがないんだと思い知りました。
うれしくもあったんですけど、それからは本当に『勉強、勉強』という意識になりました
——勤務医時代の経験で、印象に残っていることはありますか。
一時期、神奈川県の動物愛護協会の附属病院に勤めていたことがあって、そこは検査もできないんですね。基本的にお金がないので。
でも、検査に頼れない中で、ほかの情報をどう得るか。触って、見て、聞いて、匂いもそうですけど、そういう感覚は鍛えられました。すごくいい経験でしたね
人が少なくても回せるようにしないといけない

——動物病院のデジタル化を、どう考えていますか。
電子カルテもそうですし、自動精算機、予約システム、オンライン決済は、僕も進めていこうと思っています。人が少なくても回せるようにしないといけないと思っているんですよね。もちろん、人が対応できるほうがいいんです。
ただ、僕らにはまとまった時間がなかなかありません。必要だと思っても、導入のための打ち合わせや設定に時間を割けず、進まないことがあります。何がしたいのかを聞いて、病院に合うものをまとめて提案してくれる安心感があれば、任せたいと思います
——どのようなAIなら、現場で使えそうですか。
電話のパターンを全部、前もって設定するのは無理なので。1か月くらい聞いて学んでくれれば、ほぼ全パターンに対応できると思うんですよね。そういうシステムができればいいなと思っています。
それぞれ個人で違うじゃないですか。僕のカラーも、半年くらい聞いていれば、ほぼパターンがわかると思うんですよね。それが電話に出てくれれば、僕の代わりに同じことを言ってくれると思う。
そばで聞いて学んでくれた人が受け答えしてくれる、というのがいちばんうれしいですよね。余計な入力もいらないし、自分では思い出せないことも補ってもらえる。上司でなくても、同僚のような存在になってくれればいいですね
僕に任せてもらえるのであれば来てもらって

——これから来院する飼い主さんへ、伝えたいことはありますか。
小さな町の動物病院なので、本当に自分なりに精いっぱい、真摯に、誠実に、一生懸命やっていこうとは思っています。
命を預けるので、診察を任せるっていうのは、すごく簡単なことじゃないと思うんですけど、僕に任せてもらえるのであれば来てもらって。一緒に、どうすればその子がいちばん楽しく幸せな一生を送れるかっていうのを、考えていけたらと思います

ハナ動物病院 基本情報
| 院長 | 太田快作 |
|---|---|
| 開院 | 2011年12月 |
| 所在地 | 〒166-0011 東京都杉並区梅里2-28-4 梅里MSビル1階 |
| 診療時間 | 9:00〜12:00/16:00〜19:00(日曜・祝日は午前のみ) |
| 最終受付 | 午前11:30/午後18:30 |
| 休診日 | 木曜日 |
| アクセス | 東京メトロ丸ノ内線「新高円寺」駅より徒歩8分/関東バス「松の木」バス停より徒歩2分 |
| 電話 | 03-5913-8241 |
| 公式サイト | ハナ動物病院 |
病院情報は2026年8月10日に公式サイトで再確認しました。最新情報は受診前に公式サイトまたは電話でご確認ください。
電話・会話を学習する仕組みに関する回答は将来像です。実装済み機能や診療上の効果を示すものではありません。
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の診断・治療の代替ではありません。
