取材のご相談(病院の方へ)
多摩中央どうぶつ病院の竹下恭平院長
インタビュー動物病院
東京都昭島市の動物病院

「お互いに目標を定めて、そこに突き進んでいきましょう」。多摩中央どうぶつ病院・竹下恭平院長に聞く、飼い主さんとのすり合わせと診断

取材: 2026年9月28日 / 取材・文: 動物病院ナビ編集部

東京都昭島市にある多摩中央どうぶつ病院は、2021年2月に開院した、犬と猫の動物病院です。総合診療に加えて、腫瘍科と画像診断科の診療も行っています。

院長の竹下恭平先生は、大学では工学部に進み、そのあとで獣医師の道を選び直しました。獣医師を目指したきっかけ、診療で大切にしていること、初めて来院する方に伝えたいことを伺いました。

多摩中央どうぶつ病院の外観
東京都昭島市福島町の多摩中央どうぶつ病院

なんで自分で気づけなかったんだろう

竹下院長
竹下 恭平
多摩中央どうぶつ病院 院長
日本獣医生命科学大学卒業。動物病院や、日本動物高度医療センター川崎本院の腫瘍科、夜間救急の動物病院での勤務を経て、2021年2月に多摩中央どうぶつ病院を開院。獣医腫瘍科認定医Ⅱ種、獣医画像診断学会認定医(経歴・資格は公式サイトより)。

——獣医師を目指されたきっかけは、何だったんですか?

獣医になろうと思ったのは、中学生ぐらいだったと思います。当時、初めて家で猫を飼い始めたんです。たまに脱走する子で、いつもはその日のうちに帰ってくるんですが、一度、怪我をして帰ってきたことがありました。しかも、怪我に気づいたのが数日後だったんですね。

帰ってきたあと、やけに気にしているところがあるなと思って見たら、ぱっくり裂けているところがありました。それを見たときに、なんで自分で気づけなかったんだろうという、後悔のようなものがあったんです。こういうところに気づける人間になりたいなと思ったのが、スタートという感じですね。

——大学は、最初から獣医学部ではなく、工学部に進まれたんですよね。

最初は獣医の大学に受からなかったため、他に興味のあった分野である工学部の化学分野に進みました。

——そこから改めて獣医師を目指されたのは、強い思いがあったということでしょうか?

そうですね。社会に出ると、学生時代よりも長い時間を過ごすことになると思ったので、自分が本当にやりたいことを突き詰めていきたいなと思いました。もともと化学も好きだったので、違う道もあっただろうなとは思います。

それでもチャレンジして獣医を目指そうと思ったときに、うまく大学の合格が取れたので、この道に進みました。

——この場所で開業された理由は、何かあったんですか?

環境がいいというところが大きいのかなと思います。私自身は埼玉県の出身で、実家からある程度のエリアで、と決めていたんです。その中で探しているときに、いい場所が見つかりました。それが、ここで開業した最大の理由です。

また、もともと土地勘のあるエリアだったので、それもきっかけです。

——この地域の飼い主さんには、どんな特徴がありますか?

古くから犬を大事にしている地域だと思っています。犬に限らず動物を、ということだと思いますが、それがこの地域の特徴かなと思っているんです。大事にされているから、なんとかしてあげたいという気持ちが強いのかなと思います。それは、どなたでも一緒ですけれどもね。

その中で、遠くまで行くのは難しい方が多いのかなと思います。うちで解決してほしいという飼い主さんの希望と、解決してあげたいという私の思いが、合っているのかなと思います。

診察室のパソコンの前の竹下院長
診察室のパソコンの前の竹下院長

お互いに目標を定めて、そこに突き進んでいきましょう

——診療で、どういうところを大切にされていますか?

動物をとにかく良くしてあげたい、というのがベースにあります。基本的には病気の子が来るという想定になりますが、その病気を良くするためにどうしてあげればいいのか。そこを突き詰めていくうえで、次に大事にするのが、飼い主さんの希望です。

飼い主さんの希望には、その方のバックグラウンドがすべて関係してくると思います。飼い主さんはどうしたいのか。でも、その患者さんにはどういうことが必要なのか。そのすり合わせを、細かくやっていきたいんです。

竹下院長は、診察を受ける動物のことを、人の病院と同じように「さん」をつけて呼んでいます。

そこを丁寧にやらないと、提供する側も受ける側も、お互いにいい結果にならないと思っています。ビジネスの話でいうなら、ミーティングをしっかりしましょう、という感じですかね。お互いに目標をしっかり定めて、そこに突き進んでいきましょう、ということです。

診療の話の中で「ミーティング」という言葉が出てきたのが、印象に残りました。飼い主さんの希望と、動物に必要なこと。その両方を出し合ってから治療を進める、という考え方なのだと感じました。

——飼い主さんとのやり取りの中で、実はこんなことが見つかった、という例はありますか?

そうですね、たとえば、病気が分からないまま症状を抑える治療だけを続けていて、でも治らないから、とうちに来てくださった患者さんがいます。一つずつ丁寧にやっていくと、診断がつくことがあるんですよね。

診断がついてからは、治療できるものであれば、スピードを上げて治療していくことができます。そういったことは、しばしばあるのかなと思います。

——この病院の強みや特徴は、どんなところでしょうか?

うちの強みは、診断する力に長けているところなのかなと自負しています。なんだか分からないけれども症状があって、治療しているけれど治らない。そういうタイプの子に、これが原因なんじゃないか、と診断をつけていく。そこが強みなのかなと思います。

診断がつくと、治療する側も自信が持てます。受ける側も、こういう病気だから、この先の見通しはこうなんだよ、という説明を理解しやすいのかなと思います。画像検査には力を入れていますが、画像検査以外も含めて、病気の診断をしていこうというところを、うちの売りにしています。

画像検査は、レントゲンや超音波などで体の中の様子を調べる検査です。竹下院長は、獣医画像診断学会の認定医と、獣医腫瘍科認定医Ⅱ種の資格を持っています(公式サイト)。

多摩中央どうぶつ病院の検査室
検査台と機器を置いた部屋

大丈夫ですよと言ってあげるためには、来てください

——引っ越してきた方など、初めて来院される方は、どんなきっかけで来られることが多いですか?

引っ越してきた方だと、まず最初は予防の話ですよね。ワクチンやフィラリアですね。

予防が終わっている場合は、もともと何かの治療をしている、何かの経過を追っている、という方です。これまでこういう治療をしてきたので、この先はこちらで診てください、と来られる印象はありますね。

——前の病院の診断書を持って、引き継ぎのような形で来られるんでしょうか?

そちらのほうが少ないかなとは思います。これまでこういう治療をしてきた、という診断書や経過報告書を持っている方も、たまにいらっしゃいます。ただ、そういうものを持っている方は、どちらかというとセカンドオピニオンに近いのかなと思っています。

セカンドオピニオンは、いま受けている診断や治療について、別の獣医師の意見を聞くことです。

実際は、そうではないタイプの方のほうが多いです。こういう診断を言われています、こういう薬を飲んでいます、と伝えていただいて来られる、という感じですね。

——予約は、お電話ですか?

基本、うちはLINEで予約を受けているので、そちらから初診の予約もしていただけるようになっています。お電話でお問い合わせいただくこともあります。

——病院に行ったほうがいいのかな、というご相談のお電話もありますよね。

うちに定期的に通っている患者さんは、想像がつくので判断しやすいんです。たとえば夜に連絡があった場合でも、落ち着いているようなら、明日来てください、来られるときに来てください、とお伝えできると思います。

一番判断に困るのは、診たことのない患者さんです。そもそも、診たことのない患者さんに、大丈夫だと思います、と言うのは無責任だと私は思っています。大丈夫ですよと言ってあげるためには、来てくださいね、ということです。

電話で「大丈夫」と言ってもらえたら、飼い主としては気が楽になります。それでも来院をお願いするのは、診ていない子のことを言い切ることはできない、という考えからなのだと受け取りました。

——夜の時間外の診療もされているんですか?

時間外は、いまは夜8時までなんですけれども、開院当初は夜10時半までやっていました。その頃は、私を含めて常勤の獣医師がもう一人いて、お互いの経験から、だいたいそのぐらいの時間までは夜間の需要がある、という話になったんです。じゃあそこまで頑張ろう、と診ていました。

いまは、日中の患者さんが多くなっているというのが一番の理由です。それに加え人手不足で夜まで対応しきれないという事情もあります。

夜間・救急の診療を希望するときは、事前に電話が必要です。対応している曜日と電話の受付時間は、公式サイトでご確認ください。

多摩中央どうぶつ病院の受付
受付カウンター

初診の方も、いろいろ話してくださるんです

——待合室は、ワンちゃんと猫ちゃんで分けているんですよね。

そうですね。仕切りはないんですけれども、猫ちゃんだけのエリアと、それ以外のエリア、という感じに分けています。

——猫ちゃんのストレスを気にされてのことですか?

猫を飼われている方が来院ストレスを心配される、というのは、これまでの経験も含めて感じているところです。自分が連れて行く側だったときも、分かれているほうが、うちの子のストレスにならないなという認識は、絶対にあると思っています。なので、距離は取っています。

——最近は、AIで調べてから来院される飼い主さんもいると思います。院長は、どう見ていらっしゃいますか?

AIは、いまの獣医療においては、飼い主さんが使うのは非常に難しいのかなと思っています。間違ったことが、たまに入っているんですね。その間違いを、ちゃんと間違っているんだなと理解できるのは、やはり専門家である僕らだと思うので、鵜呑みにはしないでいただきたいなと思います。

あとは、質問の仕方次第というところもあると思います。うまく使えば有用だけれども、知識が足りない状態で使うのは、ちょっと怖いかなと思います。

——最後に、初めて来院される方へ、ひとことお願いします。

動物病院は、緊張される方もいらっしゃるのかなと思います。うちは、とっつきやすいとおっしゃってくださる方が多いんです。私は、説明も含めて、すごく話が長くなるタイプなんですよ。

そういうのもあってなのか、初診の方も、私にすごくいろいろ話してくださるんですよね。とっつきにくいとか、ちょっと話しにくいのかな、という雰囲気は、あまり持たれずにいてくださると思います。

簡単に言えば、お気軽に来てください、にはなってしまいますけれども、何かあったときは、ぜひご相談ください。

待合室に置かれたデンタルケア用品とシャンプーの棚
待合室に置かれているデンタルケア用品とシャンプーの棚

治療を続けているのに良くならず、原因を知りたいと感じている方や、先生とよく話し合って方針を決めたい方には、話が合いやすい病院だと思います。初めての予約はLINEからできます。これまでに言われた診断や、飲んでいる薬を伝えられるようにしておくと、相談がしやすくなりそうです。

多摩中央どうぶつ病院

所在地〒196-0031 東京都昭島市福島町3-1-2
電話042-519-7809
診療動物犬、猫
休診日木曜、月曜・金曜の午後(12:00〜16:00は手術・検査の時間)
予約公式LINE(予約、予約外の順番受付)
アクセスJR東中神駅から徒歩17分/JR立川駅から西武バス「立71」で「新道福島」下車、徒歩3分
駐車場敷地内に9台分
公式サイト多摩中央どうぶつ病院

診療時間や、夜間・救急の診療については、公式サイトでご確認いただけます。