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臨床とは何か、
臨床医とは何か
東京獣医科医院

「聞き上手になりたい」

取材: 2026年7月27日 / 取材・文: 動物病院ナビ編集部

「ずっと地元で診療してきた形です」

羽
羽原 弦史
東京獣医科医院 院長

——獣医師になったきっかけと、この地域で開院した経緯を教えてください

昔から犬を飼っていて、分からないうちに死んでしまうこともあり、「なんとかならないのかな」という思いがありました。父親も獣医師だったので、子どもの頃からいろいろな知識を教え込まれた部分もあります。

夢という意識がはっきりあったかは分かりませんが、高校生になってから、やはり獣医師がいいかなと思いました。

実家がここから直線で500〜600メートルほどのところにあり、最初は実家で診療していました。他の場所で診療していたわけではありません。もう少し交通の便がいい場所へということで、こちらに移ってきました。ですから、ずっと地元で診療してきた形です。

——病院として大切にしていることと、実際の診察の進め方を教えてください

動物病院で大事なのは、人と動物の間でうつる人獣共通感染症を水際で防ぐことです。動物から人へうつる病気もあれば、逆に人から動物へうつるものもあります。獣医師は、それを防ぐ立場にいると思っています。

普段の診療では、この子は言葉が分からないので、できるだけ飼い主さんのお話から情報を聞きます。そのうえで、自分の目と耳で見て、必要な検査をしていきます。

初めて来る子の場合は、その状態を細かく聞きたいです。年齢や動物種によって多い病気もあります。ぱっと見て分かる場合もありますが、すぐに「これです」と決めるのではなく、周りから話を聞き、その子の状態や症状を見ながら考えていきます。

夜間についても、できる限りの対応はしています。緊急の場合には、24時間対応の病院をご案内することもあります。

「聞き上手になりたいと思っています」

——飼い主さんとは、どのように話すことを心がけていますか

飼い主さんには、言いたいことを全部言ってもらう形にしています。それに対して、こちらから反論することは特にしません。まず全部聞くようにしています。

自分としては、聞き上手になりたいと思っています。人によって対応は変わりますが、ホームドクターのような形で、全部話してくれる方も結構います。

初診時の聞き取りについて話す羽原院長
初診時の聞き取りについて話す羽原院長

——病院ならではの診療と、高度医療が必要な場合の対応について教えてください

自分が行っている診療で、主に使っているものの一つが半導体レーザーです。手術でレーザーメスを使うこともありますし、疼痛や麻痺の緩和を目的とした処置にも使っています。

異物を食べてしまって駆け込んでくるケースもあります。地元なので、昔からの知人が来ることもありますね。

高度医療が必要だと診断した場合は、高度医療病院へ紹介します。一方で、自分のレーザー処置で対応できると判断した場合は、治療することもあります。

——解剖学を学び、教える仕事も続けてきたのですね

日本大学を出た後、日本獣医畜産大学の大学院へ進み、その後は日本医科大学で解剖学を学びました。学位を取得した後、教授から声をかけてもらい、さまざまな学校で授業をするようになりました。

大学や学校でのつながりもありますし、獣医師会に入っていると獣医師同士の横のつながりもできます。高度医療が必要だと判断した場合は、高度医療病院へ紹介することもあります。

長く続けていますが、獣医師をやめたいと思ったことはないですね。

「その回答を補い、修正していくのが獣医師なのかな」

——AIから診断候補が出る時代に、獣医師にはどんな役割が残ると考えていますか

先日、AIによる診断補助の話を聞きました。教科書的な情報と症状を入れると、答えが出てくるというものです。そういうものが出てくる社会になると、獣医師は何をするべきなのかと思います。

データから回答が出てきても、絶対に間違えないとは言い切れません。その回答を補い、修正していくのが獣医師なのかなと思います。もう一つは、飼い主さんの気持ちの面を支えることです。

一番多いのは、ペットロスに関わることですね。厳しい状況だと感じたときでも「最後まで頑張る」とお話ししますが、今の状態と、この先に考えられることも伝えます。

最初から厳しい結論を伝えてしまうと、ショックをまともに受けてしまいます。ですから、まず状況と病気について説明し、どのような治療があるのか、年齢を踏まえてどのような見通しが考えられるのかを話します。治療を続けても状態が長引く可能性や、後遺症が残る可能性もあります。最悪の場合も考えておいてくださいとお話ししています。

AI時代の獣医師の役割について話す羽原院長
AI時代の獣医師の役割について話す羽原院長

——AIや新しい技術を、動物と人のために生かせる可能性はありますか

AIを使った動物介在活動はできないのかなと思うことがあります。老人施設などで動物と触れ合う活動がありますが、それをVRやAIで補えないかという発想です。

ロボットを使ったものもありますが、動物の動きや、触れたときの柔らかさをどこまで再現できるのか。猫の体の柔らかい動きや、感情によって変わる鳴き方まで再生できるのかということも考えます。

——最後に、飼い主さんへ伝えたいことをお願いします

電話だけで、診療にいくらかかるかを答えるのが難しい場合があります。ただ、症状について気軽に先生へ聞いてもらいたいと思っています。

初期症状のうちに来てもらえれば、簡単な対応で済むことがあります。進行してからでは入院になる場合もあるので、できるだけ早めに受診してほしいです。

東京獣医科医院 基本情報

院長羽原弦史
所在地〒123-0873 東京都足立区扇3丁目4-9
電話03-3856-0028
アクセス日暮里・舎人ライナー 高野駅出口すぐ
公式サイトhttps://www.tokyo-vet.com/

病院情報は2026年8月11日に公式サイトおよび東京都獣医師会の病院情報で確認しました。受診前に最新情報を公式サイトまたは電話でご確認ください。本稿は個別の診断・治療を代替するものではありません。