病気になる動物が減り、動物病院そのものをなくしていけるのが理想だと、ペットメディカル久が原の青柳伸介院長は話します。飼い主さんが健康について考え、動物病院へ来なくていい時間が長くなることを目指しています。
今回は、青柳院長が獣医療の現場に入った経緯、久が原で開院した理由、設備に対する考え、飼い主さんとの距離感まで、本人の語りをできるだけ長く残したロングインタビューでお届けします。
最初から獣医師を目指していたのですか
基本にあるのは、動物の命を救いたい、病気を治したい、動物の役に立ちたいということですよね。スタッフも、その思いで動物に向き合っているでしょうし。病院を始めた理由はそこです。当たり前っちゃ当たり前ですけどね。
ただ、僕は最初から獣医師になりたかったわけではないんですよ。もっと違う仕事をしたかった。でも、まず臨床というか、動物病院の現場を知らないと、いろいろな仕事はできないだろうと思って、とりあえず動物病院で勤務し始めました。やっているうちに、だんだんこっちへスイッチしたという感じですね。
久が原を選んだ理由は
まず、住宅街じゃないですか。立地の条件としては、すごくいい環境だと思っていました。もともとは大森のほうで雇われ院長をしていて、久が原へ来る機会も時々あったんです。街並みがいいところだなと思っていました。
それで、自分で開院しようと思ったときに、たまたまこの物件が空いていた。半地下なので比較的借りやすく、ある程度の広さもありました。だから、久が原へ行きたくて行きたくて仕方なかった、という感じではないんですよ。候補はいくつかあって、その中で久が原がいちばん合っていた。ちょうどいい物件が出た、ということですね。
院内設備は、どこまでそろえる方針ですか
院内で、その日のうちに次の判断ができるところまでは、必要なものを入れるようにしています。
ただ、CTやMRIまで全部を院内に置くという考えではありません。導入には機器だけでなく建物側の条件もありますし、専門に検査をしている施設もあります。そこまで必要な子は専門施設で、きちんとしたデータを取ってもらう。そのデータを持ち帰ってもらって、こちらで治療する。そのほうが理にかなっているし、患者さんのためにもなると思っています。
どんな診療をする病院なのでしょう
うちは、普通の動物病院としてやっていて、ホリスティックな治療もしているんです。一般的な検査や西洋医学的な治療、手術もします。そのうえで、別の選択肢も扱っている。
ほかの病院と違うところがあるとすれば、そこですね。それ以外は、普通の動物病院と変わらないことをしているだけです。普通の診療を希望する飼い主さんには普通の診療をしますし、別の選択肢を求めて来られた方には、その相談に対応しています。
同院が一般診療に加えて代替・ホリスティック医療・自然療法を扱うことは、公式サイトでも案内されています。ここでの発言は院長の診療方針を紹介するもので、個別の治療法の有効性を保証するものではありません。治療の開始・中止・変更は、動物の状態を診ている獣医師へ相談してください。
病院をなくしていくのが理想、というのはどういう意味ですか
いらない病気を極力なくして、飼い主さんが知識を持って、飼い主さんが主体で治療したり、予防したりする環境ができるといいかなと思うんです。そうなれば、結果として病院をなくしていける。それが僕の理想です。
もちろん、簡単ではないと思っています。人の医療でも、そういう活動をしている先生たちは「大変だよね」と言っていますから。
症状があると、まずそれを消してほしいと思うのは当然です。痛ければ、痛みを取ってほしい。でも、そこで終わらずに、なぜその状態になったのかにも目を向けてほしい。それを飼い主さんと一緒に考えていくことが大事だと思っています。
もともと弱い子もいるし、病気になる子がいなくなるとは言えません。それでも、全体として病気になる子が減って、病院に来なくても元気に過ごせる時間が増える。そうなって病院が減っていくなら、それが僕の理想です。病気をなくしたい、というのが基本なんです。
飼い主さんには、何をしてほしいですか
本当の健康を保とうと思ったら、それなりに関心を持って、手間をかけないといけない。その労力をかけてもらえるといいなと思うんです。そのための知識や情報は、いくらでも提供します。
うちの患者さんには、公式LINEなどで毎週情報を配信しています。全員が読むわけではないですけど、思っていたより読んでくれているんだな、と感じることもあります。病気になってからだけではなく、病気にならないために考える材料を出していく。それも病院の役割だと思っています。
「怖い先生」と言われるそうですね
僕はね、怖いと言われています。怒ってはいないんだけど(笑)。何か注意すると、受付へ行って「院長に怒られた」と言われているみたいで。飼い主さんからすると、ちょっと怖い印象があるみたいですね。スタッフも、注意すると怖いみたいです。
僕自身は怒っていないんだけどな、と思うんですけどね。言い方とか、表情とかが怖いんでしょうね、たぶん。
だから、もっとざっくばらんに話してほしいと思っています。話してもらえれば、僕も話します。こちらはオープンにしているつもりでも、院長という立場から言われると、上からものを言われているように感じるのかもしれません。そこは難しいですけど、気になることは話してほしいですね。
青柳院長の言葉は、ときに強く聞こえます。しかし、話を長く聞くと、その強さの奥にある判断基準が見えてきます。設備は多さではなく、院内でどこまで判断するか。情報発信は、きれいさではなく、自分の考えが伝わるか。そして診療の理想は、病院へ通う動物を増やすことではなく、病気になる動物を減らすことでした。短い要約だけではこぼれてしまう、言い直しや少しの照れ、率直な物言いまで含めて、青柳院長という人が伝わるインタビューになればと思います。
診療時間やアクセス、施設の詳細はペットメディカル久が原の公式サイトでご確認いただけます。
ペットメディカル久が原
| 院長 | 青柳 伸介 |
|---|---|
| 所在地 | 〒146-0085 東京都大田区久が原3-31-10 |
| 予約 | 完全予約制。ウェブ予約は再診のみ |
| アクセス | 東急池上線「久が原」駅から徒歩5分/駐車場2台 |
| 電話 | 03-5747-1831 |
| 公式サイト | petmedical.jp |
本稿は取材音声を読みやすく整えています。発言の意味を変える合成は行っていません。
本稿は特定の治療法、自然療法、食事法を推奨・評価するものではなく、個別の診断・治療の代替でもありません。心配な場合は、必ずかかりつけの動物病院・獣医師にご相談ください。